食と健康に直結する食品や医薬品、化成品の生産や、我々の社会で排出される様々な形態のバイオマスの有効利用において、微生物利用はもはや欠かせないものとなっている。微生物を利用した各種技術においては、有用微生物の選抜・育種、用いる微生物の特性や機能、微生物の特性に応じたプロセス制御などについて深く理解していることが重要となる。さらに、近年では、単離微生物のみならず、より柔軟性に富んだ複合微生物系の動態を理解し、物質生産や環境保全に生かそうとする潮流も生じている。本特論では、とくに日本が築き上げてきた発酵技術を基盤とし、純粋培養系や複合微生物系において取得したさまざまな情報を生かして、それぞれの機能を最大限に発揮した物質生産や環境保全につなげる研究・技術開発の最前線を論ずる。