近代小説とは何かを考えていく。その際、〈他者〉をキーワードとする。〈他者〉を、〈わたしのなかの他者〉(自己化された他者)と了解不能な《他者》に峻別することによって、「自己」=「私」を問うていくことができる。小説を深く読むと、この〈他者〉問題が顕在化し、日々の暮らしにとって言語表現がどれだけ重みをもったものであるかを発見・理解することができる。