顕微鏡による細胞観察技術の進歩は、生命工学の飛躍的な発展を導いてきている。本講義ではまず、細胞の形態と基本構造、さらに酵素や生理活性物質生産等の有用機能を総括する。また、蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡を含む光学顕微鏡、および電子顕微鏡(走査型電顕、透過型電顕)について、それぞれの工学的原理に触れるとともに、細胞オルガネラや生体分子の観察のための高度技術の詳細を述べる。次いで、細胞観察技術の生命工学研究、特に有用菌の選別と工業的利用に関する研究への応用例を講義する。即ち、工業微生物(細菌、放線菌、カビ、酵母)の形態に基づく識別法、被験菌の形態異常を指標とした新規抗生物質生産菌のスクリーニング法、さらに、蛍光抗体法等の染色技術と最新の画像処理技術を駆使した特異的遺伝子や有用微生物クローンの特定および環境汚染物質分解菌のモニタリング等の先端研究に関する理論と実際を講義する。
 授業では、英文レポートの作成と発表および質疑応答を学生に課し、語学力と課題解決力の向上を図る。