この授業では、「教育実践研究」を「教育の現実場面における実践を対象として,教育実践の改善を直接に目指した具体的な提言を行うもの」とします。教職大学院は,高度専門職業人養成としての教員養成に特化した専門職大学院と位置づけられており,文部科学省により「事例研究、授業観察・分析、フィールドワーク等を積極的に導入した指導方法により,理論と実践の融合を図る教育を行うこと」とされています。しかしながら、教育者としての資質能力の向上や現場への研究成果の還元を第一義として具体的/実践的な学びが志向されるため,研究を行うに当たってもそのような志向が強いのではないでしょうか。そのため,研究の方法論についても,「研究を専門にするわけではない者にとっては専門的過ぎる」という意識があるかもしれません。しかしながら,研究法を学ぶことは,研究の技法(調査の仕方やデータ分析の仕方など)を学ぶことのみを指すのではなりません。むしろ,その背景にあるものの見方/考え方を学ぶことといえます。この授業では特に、質的研究の方法論に焦点化します。質的研究法では、(研究者も含む)人々の生きる文脈と、そこで生じる意味を重視します。受講生各々の行っている課題研究をどう進めていくかにはもちろん、校内研究等の組織として行う研究にも具体的に役立ち、研究の質をあげるような方法論であると考えます。一緒に学びを深めていきましょう。